『SS』 プロデュース:Dialogue

「プロデュースするわよ!」
「何をだ? いや、言わなくていい」
「もちろんアイドルよ!」
「うん、その手に持ってる携帯で何となく察知したから言わなくていいと言ったんだが。まあその後のセリフも分かっているけど一応誰を? と訊いておこう」
「当然みくるちゃんね! それに有希だって美人だから間違いなく売れるわ。何だったら鶴屋さんにもお願いするし、あんたの妹だってロリ担当として見逃せないところね」
「人の妹にまで手を出そうとするな。それにプロデュースったって誰がやるんだよ?」
「あたしに決まってるじゃない! やるからには目指せ武道館よ!」
「ふむ、張り切るのはいいがそうはいかないだろうな」
「何よ、あたしのプロデュース能力に文句でもあるわけ? それともあんたの方がいいプロデューサーだなんて言うんじゃないでしょうね?」
「俺にそんな能力なんてないさ。それに朝比奈さんの愛らしさも長門が美人であるということも否定しない。妹はともかく鶴屋さんまで含めればかなり人気も出るかもしれないな」
「だったらいいじゃない、あたしに任せておけば武道館どころか全世界ツアーだって夢じゃないわ!」
「だがハルヒ、お前はどうなんだ?」
「へ?」
「確かに朝比奈さんは愛らしく長門は美人だ。しかし俺に言わせればハルヒ、お前はそれにも劣らない、それどころか二人に増して美人で可愛いと思うぞ? そんな可愛いハルヒがプロデューサーだなんてお前は良くても周りが放っておかないだろう。間違いなくお前がアイドルとなってデビューしてしまう。そうなればハルヒは声もいいし可愛いから爆発的に人気が出てしまい、スケジュールはあっという間に分刻みになってしまうに違いない。となれば学校なんかにはとても来る暇など無くなるだろうな、ハルヒはそれだけの可愛さがあるから。すると俺はどうなる? お前に会いたくても会わせてもらえずにただ学校や家でお前の活躍を見るしかなくなるじゃないか。お前が美人で声もよくて可愛すぎるから仕方がないんだ、と諦めるしかないのか? 可愛いハルヒに会えない日々なんて俺にとっては無意味で抜け殻のようなものでしかない、だからここはプロデューズなど止めておくべきだと思うのだがどうだ?」
「…………うん。あたい、やめゆ〜」
「そうか、理解してもらえて何よりだ」
































「あ、あっさりと涼宮さんが陥落してしまいました…………」
「イタリア人も真っ青な程に可愛いを連呼していましたね」
「さすが西宮の種馬、そこに痺れる憧れる」
「「長門さん?!」」