『SS』 月は確かにそこにある 12

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 放課後のチャイムが鳴ると、ハルヒは立ち上がり、
「ほら、あんたも行くんでしょ?」
 俺に声をかけるだけでそのまま教室を出て行ってしまった。首周りに寂しさを感じてしまう事に末期的症状を感じつつ、谷口と国木田に視線で謝りながら俺はハルヒの後に続いた。
 文芸部室までの道のりを俺が後ろに居ることなど関係ないかのようにまっすぐ振り返らずに歩くハルヒに何も声をかけられないまま黙って付いていくしかない。
 しかし奇妙な事に、俺のネクタイを掴んでいた時のハルヒは人を殺さんばかりの勢いで全力疾走していたはずなのに今はやや早足とはいえ急ぐことも無く歩いている。俺が離れずに追いついているくらいなのだから異常といえるかもしれない、それとも俺に気をつかっているつもりなのだろうか? まさかな、あのハルヒがだぞ? それならばいっそのこと走り去ってくれた方がいくらかマシってもんだ。こっちはやれやれと言いながらのんびり歩いていればいいんだからな。
 微妙な距離を保ったまま俺達は部室までやってきた。正確に言えば本当に一足だけ先についたハルヒが部室のドアをノックもせずに開けた所を目撃したのであるが。しかもハルヒは、ドアを開けたまま俺を待っていたらしく、
「あんたはそこで待ってなさい、いいって言うまで入室禁止よ!」
 とだけ言って本当にドアを閉めてしまったのだった。取り残された俺としてはどうしようもない、黙って待つしかなかった。まあ朝比奈さんが着替えていると思えば待つことにも慣れていると言えるのだが、ハルヒに言われてしまうと何か疎外感を感じてしまう。
 寄る辺も無くドアの向こうで何が行われているのかと多少の聞き耳を立てては見たのだが、予想していたような朝比奈さんの嬌声が聞こえてくるような形跡も無い。それ以前に朝比奈さんが在室しているのかどうかすら知らなかった事に今更気付いたのだ。俺を室外に追い出している時点で朝比奈さん関連と決め付けたのは早計だったのか? しかしそれ以外に理由など思い辺りはしない。
 まったくもって理不尽に時間だけ過ぎていく中で突然ドアの向こうから、
「いいわよ、入りなさい!」
 ようやくハルヒからの入室許可が出たので俺もノックも無しにドアを開けたのだが。
「あ、キョンくん…………でしたっけ? こんにちは」
 どうにか覚えてもらっていたようだが、それでもあだ名なのが哀しい朝比奈さんはいつものメイド服である。長門は………………顔を上げもしてくれないか。
 しかしそれよりも問題がある。いや、これが一番大問題だ。とんでもない光景が俺の目の前に広がってしまっているのだから。
「どうよ? 昨日はいきなりあんたが出てきたからいつもどおりとはいかなかったけど、やっぱりこうじゃなきゃね」
 得意満面で笑っているハルヒなどどうでもいい。それよりもこれはどういうことだ?!
「あ、あの………………あまり凝視されますと……………………」
 いや、俺も見たくない。というか見たくなかった。余りの驚きで目が離せなくなっているだけだ。
 そう、それは本人も昨日言っていたはずだった。その時は想像したら負けだと思っていたが、現実を目の前にすると完全に敗北感を感じてしまう。
 そこにいたのは天使と言うよりも女神といった方が似合う女性だった。朝比奈さんよりも背が高い上に、間違いなく足も長いのでロングスカートがすっきりとしたラインを描いている。漆黒の衣装に輝かんばかりのエプロンドレス。ワンポイントのように襟元に真紅のリボンを飾っている。軽いパーマのかかった茶髪にフリルの付いたカチューシャを乗せて。
 完璧なメイドがそこに存在していた、朝比奈さんがメイドさんならどう見てもメイド長である。なあ古泉、お前そんな格好しなきゃいけない奴だったのかよ? やはり羞恥を感じているのか頬をわずかに赤く染めた完璧メイド長はハルヒに背中を押されるままに俺の目の前まで歩いてきたのであった。流石にかける言葉が見つからない。
「あ、あー、お前…………………本当に古泉か?」
「そうよ、似合うでしょう? みくるちゃんがマスコットなら一姫さんは象徴って感じよね!」
 意味がよく分からんが二人ともメイドにする必要があるのだろうか? まあ出来の良いメイド長とドジっ子メイドさんにしか見えないが。
「何よ、あんた分かってんじゃない? まあ一姫さんもみくるちゃんもスタイルいいからどんな格好似合うけど、やっぱり定番はメイドだと思うわけよ」
 二人とも疲れた表情でハルヒの高説を聞いているのは見えないのだろうか。まあ立場的に仕方ないとはいえ、やはり哀れだと思えてしまう。特に現在の古泉は。
「さ、みくるちゃん、お茶淹れてちょうだい! あんたもとっとと席に着く!」
 はあい、と可愛く返事をしたメイドさんその一がいそいそとお茶の用意をしているのだが、こっちのメイドはいいのか?
「一姫さんはみくるちゃんを監督する立場だから何もしなくていいの。まあ見た目がいいからいるだけでも目の保養になるしね」
 完全に着せ替え人形だな、同情の意味で古泉を見れば何も言えないのだろう、大人しくなっている。かける声も無い事なので俺は自分の席を用意した。古泉も黙って自分の席を確保すると、とりあえずといった感じでチェスの用意を始めた。俯いたままで顔を上げようとしないくらい恥かしがる古泉など見れて多少面白いと思ってしまうのは、これもハルヒが笑っているからなのだと思いたい。そこまで俺は人の不幸を楽しむタイプじゃないぞ、と思う。
 そのままチェスを始めた俺達なのだが、どうにも勝手が違う。それというのも、
「……………………」
 目の前のメイド長が俺と視線を合わせようともせずに、そのくせ長考しながら横目でちらちらと俺を覗くように見てくるのだから調子も狂うというものだ。なんだこれは、そんなに照れるくらいならはっきりと断われよな。とも言えない立場なのは同情するが、だからといって縋る様な目で見られても困る。何よりお前は女か、ああ、女だった。おかしい、こんなはずじゃなかっただろ? またもハルヒにしてやられたっていうのか?
 いつもの自分達というものを考えれば考えるほどに泥沼に嵌まっていないだろうか、そう思えてきた俺の思考を解きほぐすかのような天使のハニーボイスが降り注ぐ。
「はい、お茶入りましたよ。ごめんなさい、お客様用の湯飲みしかないですけど」
 ああ、朝比奈さんはやはり天使だったのだ。今度はきちんと俺用の湯飲みを持って来よう、というか今まであったやつはどうしたんだろうか? 世界の改変により行方不明になった俺の湯飲みの事も気になるが、それでも再び朝比奈さんの淹れてくれたお茶が飲めるというこの喜びには代えがたい。
 ありがたさに涙さえ浮かべそうな勢いで、それでも大事に一口飲み干せば感動が全身を貫くようだ。大袈裟ではなく、ここにいるという事を実感させてくれるのである、まさに甘露と言えるだろう。そんな感想を胸に秘め、ちびちびと湯飲みを傾けていた俺なのであるが、
「どう? 一姫さん、今日のみくるちゃんは?」
「あ、ああ、大変美味しいお茶を淹れていただいてますよ」
 本当にハルヒの奴は朝比奈さんの上司に古泉を設定しているようで、古泉が無理矢理な笑顔で朝比奈さんを褒めるのを自分の手柄のように頷いている。朝比奈さんも何か言えばいいのに本当に褒められたかのように笑っているのだから、もしかしたらこれが日常というのは正しいのかもしれない。
 しかしそれはあくまでこの世界における古泉一姫の話であって、古泉一樹としては結構な試練なのではないだろうか。正直なところ対応に迷っている古泉というのを見ているのは面白い。
「ねえ、どう思う?」
 ん? ハルヒが訊いてきたのは俺に対してか? 何がどう思うっていうんだ?
「だーかーらー、一姫さんを見てどう思うのかって訊いてんのよ。ほら、目の前にはメイドさんなんて男子の夢じゃない?」
 それをお前に語られるのもどうかと思うが。しかも目の前にいるメイドは生憎と俺と同性なのだから夢というより悪夢だろ。などとは言えないのではあるが、返答としてはどうすればいいのかと多少考えもする。あまり古泉だからといって酷く言えばハルヒの機嫌を損ねるからな、ある程度は褒めておいた方が正解だろう。
「まあな、確かに目前に美人がいるというのは目の保養になるかもだが、折角のメイドなのでお茶でも淹れて貰う方が雰囲気があるんじゃないか? 朝比奈さんに見本でも見せてやればいいと思うぞ」
 そう言うと古泉の顔色が露骨に変わる。なんてことを言うんですか、という非難の視線を軽くかわすと、
「どうする?」
 と、団長にご意見をお伺いする。するとハルヒは、
「そうね、新入団員がメイド長の実力を見てみたいというのなら応えなければSOS団じゃないわ! さあ一姫さん、あなたの実力を見せ付けて二度とこいつが逆らえないようにしちゃいなさい!」
 予想とまったく違わない笑顔で古泉に命じたのであった。こういうところは俺の知るハルヒそのものだな、ただ対象になってる人物は違うのだけれど。
 そして普段は傍観、もしくは話を振るはずである今回の対象は、
「………………かしこまりました、では用意いたします」
 静かに立ち上がったものの、席を離れる瞬間に溜息をついたのを聞いて笑いを堪えるのが大変だった。それでも歩いている姿は決まってはいるが、内心はどうだろうな。古泉が本当に困る状況というのは不謹慎ながら面白いぞ、最近は調子が狂う事ばかりなので憂さ晴らしもしないとな。
 朝比奈さんに教わりながらお茶の用意をしている古泉の背中をざまあみろとばかりにニヤニヤしながら見ていると、
「そんなに楽しいの?」
 ハルヒが呆れたように言ってきたので事情を知っている俺は笑って答えた。
「ああもちろんだね、古泉が朝比奈さんを越えられるように願ってるくらいだ」
 するとハルヒは、
「ふーん………………」
 面白くも無さそうに鼻を鳴らすと、そのままパソコンの画面に顔を向けてしまった。何なんだ、さっきまであれだけ楽しそうだったくせに。しかしそれをハルヒに指摘する前に、
「お待たせいたしました」
 と、古泉がお盆に人数分の湯飲みを載せて歩いてきた。一見完璧に見えるが慎重なのか、動作が一々ゆっくりとしている。その大人しげな態度がもう笑いのツボなんだけどな。
 我慢していても顔がにやけるのだが、古泉の『恨みますよ』という無言の抗議は無視だ。こんな出し物は見ないと損だからな。そのまま緩々とハルヒの座る団長席に一番に向かったのだが、
「ああ、あたしはいいわ。まずはそこの間抜けなニヤケ面に一姫さんの淹れたお茶を味あわせてやりなさい」
 言われた古泉も聞いている俺も目が丸くなっているだろう、本当にこいつはハルヒなのか? さっきまでの態度が嘘のような素っ気無さに不気味なものさえ感じてくる。だが古泉がハルヒの言葉に逆らえるはずもなく、
「……………どうぞ」
 微笑みを浮かべて(これは作り笑いだ、恥かしいのか目元が潤んでいる)俺の前に湯飲みを置いた。わざとらしくありがとう、と言っておく。その後、古泉が全員の席に湯飲みを置くのを待ち、疲れ果てた古泉が自分の席に着いたところで見えるように湯飲みを取り上げた。
「いただきます、古泉さん」
 白々しくも礼を言って(その時の古泉の顔は見物だった)俺はお茶を一口飲んだ。何故か周囲から視線が集中しているのだけれど、俺は毒見役扱いか? とはいえ、誰が淹れようとお茶はお茶である。味が変わるのは朝比奈さんの弛まぬ技術の向上の賜物であり、古泉が淹れても俺が淹れても恐らく変わりはないんじゃないか。
 などと思いながら飲んだお茶の味は………………………これが意外なくらいに美味かったのだ。おかしい、朝比奈さんに負けずとも劣らないのは胸のサイズだけじゃなかったというのか? 驚く俺の前では満面の笑顔の古泉。どうだ、と言わんばかりの瞳の輝きに先程までの動きは演技だったのかと思わされてしまう。
「やるわね、流石一姫さん!」
 ハルヒも一気に飲み干したくせに味が分かっているかのように偉そうに古泉に言っている。朝比奈さんも感心しているが古泉が淹れたのはこの世界でも初めてだったのだろうか? 因みに長門の湯飲みもいつの間にか空になっていた。
 何にしろ、ハルヒの機嫌を取るためにお茶を淹れる練習をしていたとしてもおかしくは無かったのだ、それをギリギリまで隠すところがある意味こいつらしいのだが。
「どうよ、あたしのSOS団のメイド長の実力は?」
 お前の個人的目的だけでメイド長にされた古泉の心境は分からんが、これだけは言うしかない。
「完敗だ、確かに美味かったよ。すげえな古泉、ごちそうさん
「お目にかかったのならば光栄です、私もホッとしましたよ」
 そう言った古泉は間違いなく仮面ではない笑顔だった。俺としたことが一瞬見とれそうになったくらいなのだから、ハルヒなどはひとたまりも無い。
「ほら見なさい! 一姫さんは凄いんだから!」
 いや、よく分かった。こいつは本当に器用なんだなって事が。そのくせ大雑把なところもあるんだが、それはこの世界でも発揮されているのだろうか?
 しかしハルヒがまるで我が事のように古泉を自慢するのは何故なのだろうか? そりゃ自分の団員を誇りに思う気持ちは分からなくもないが、わざわざ俺にまで言う必要は無いと思うのだ。
 それともまだ俺は部外者扱いなのだろうか、そう思うと若干寂しいものが……………………………………いや、妄言だな。ハルヒが団員を自慢したがるのはいつものことだ。
「いえ、それほどでも………………恐縮です」
 本気で照れてもらっても対処に困る。まあ『機関』の力を借りずに注目されて良かったなあ、ってそれもそれで違わないか?!
「それじゃ今日は一姫さんにお茶汲みは任せちゃうわね、お代わりちょうだい!」
 ハルヒの命令に分かりました、と答えながらいそいそと立ち上がる古泉は本当に楽しそうだった。まるで前からこうしてメイドだったかのように。
 それを見て昼休みに感じた違和感が再び込み上げてくる。おい、本当にお前は古泉なんだよな? 頼むからそんなに完璧なメイドにならないでくれよ。
 だがしかし、古泉はその後も楽しそうにメイドの仕事をこなし、ハルヒは満足そうに、朝比奈さんも感心していた。長門も最後には小さく会釈したくらいなので気に入ったのかもしれない。ついでに言えば俺とやっていた将棋は一勝も出来なかった。
 やがて長門が本を閉じ、俺はハルヒに言われるまでも無く部室を出る。古泉とハルヒ、朝比奈さんが何か話しているようだったがドアを閉めたら何も聞こえなくなった。
「……………やれやれ…………」
 本気でそう言うしかない。何度目になるのか分からない溜息と同時に壁にもたれて頭をかいた。何もかもが同じな様で調子が狂う、まったく違う世界よりもタチが悪いのかもしれない。ハルヒも何を考えているのか分からないままで、結局朝比奈さんと少し話せただけで長門とは視線が合うことすら無かった。
 そして古泉だ。あいつはどうしてんだ、何故そこまで自然に女として振舞える? 
「週末まで待つしかないのか?」
 どうしたことだ、不安しか湧いてこない。しかし下手に長門接触して情報操作を受けてしまう危険性を考えれば自然に見せかけられる不思議探索を待った方が正解なのだろう。その為には古泉の演技力に賭けるしかない。
 それなのに不安だけが俺を支配するのだ。もしも、万が一……………
「お待たせいたしました」
 マイナス方面に向かおうとする思考を遮るように部室のドアが開き、何故か古泉が先頭で顔を出してきた。その背中を押すようにハルヒと朝比奈さんが後に続く。一歩遅れて長門が最後に部室を出て、
「さあ、帰るわよ!」
 ハルヒが宣言して朝比奈さんを連れて歩き出す。すると古泉が、
「ああ、でしたら部室の鍵を…」
 と閉めようとしたのだが、それを長門が止めた。
「いい。今日はわたしが鍵をかける。あなたたちは彼女たちと待っていて」
「はあ、ではお願いします」
 古泉に分かるのかどうか不明な頷きで返した長門を待つために俺達は玄関まで移動した。のだが、何かおかしい。
 ハルヒと朝比奈さんはよく話しているのだが、そのせいか俺は古泉としか話せないのだ。別にハルヒや今の時点で朝比奈さんに話せるような事はないとはいえ、ここまでやられると意図的なのかと思えてくる。それは古泉も同様とみえ、
「困りましたね、せめて朝比奈さんに確認だけはしてもらいたかったのですが」
 若干戸惑った様子で俺に話しかけてきたが、やはり顔が近い。つい思い出したくもないこいつのメイド姿が脳裏をよぎり、思わず顔を背けてしまった。
「どうしますか、このままですと帰るだけになってしまいますが」
 こうなれば帰り道で長門に話しかけるしかないだろう、ハルヒと朝比奈さんは俺達より前を歩くはずだからタイミングがよければ何とかなるはずだ。
「そうですね、朝比奈さんには後で私から電話をかけるしかないでしょう」
 俺達二人がそこまで決めたところで長門が鍵を返して玄関にやってきた。これで後は帰るだけなのだが、ここでも思わぬハプニングが俺と古泉を襲ったのである。
 まさかハルヒ長門と話しながら帰るとは思わなかった。女性陣(古泉はあえて除く)が話しながら帰るすぐ後を俺と古泉は歩くしかなかったのだった。
「どうなってるんだ? 朝比奈さはともかく長門までハルヒと和気藹々と帰り道を歩くなんて想像の範疇を超えてるぞ」
「私にも意外です、この世界でも長門さんが涼宮さんと並んで帰るなんて滅多にないですから」
 そうだ、本来なら考えられない行動が連続で起こり続けている。これもハルヒの願望なのか? だとするとどういう意図でこんな誰とも話せない状況を作りたがってるんだ?
「様子を見るしかないでしょう。我々が知らない、こちらの世界ならではの行動かもしれませんし」
 確かにその可能性は捨てきれない。だが俺の予感は違うと言っている気がする。どうも何らかの意思が働いて俺が誰とも話せないようになっているとしか思えないのだ。
 いや、正確には古泉としか話していない状況なのだが。しかしこの古泉としか話せない、という状態こそが重要だったのだ。まさかとは思うが、全てはここから始まっていたという事に最後の最後で俺は気付くのだが、この時点では誰もハルヒの意図など分かるはずも無く、悪戯に時間が過ぎる事に焦りだけを募らせていたのであった。