『SS』  Dialogue:人生こども相談室

「始まりました、人生こども電話相談室! 司会はあたし涼宮ハルヒです!」
「うわーお、ちょっと順番入れ替えただけでなんかダメっぽそうだー」
「ほら、クイズにしてもドラマにしても料理番組もキョンが爆発して終わっちゃうじゃない? だから今回はオーディエンスを巻き込んじゃおうって」
「好きで爆発してねえし、料理の時は無事でしたからーっ!!」
「はーい、人生について相談にのってくれるのはSOS団の愉快な面々とキョンでーす」
「え? そこスルー? つかなんで俺だけ別枠扱い?!」
「…………………」
「有希? その早押しボタンは今回いらないのよ」
「いやはや、私などに人生を語れるとは思えませんが」
「えーと、この先については禁則事項っていうか〜」
「こどもの相談に真面目に返すな、あと朝比奈さん、別に未来が知りたいわけじゃないです」
「それじゃ早速一人目の相談ね!」

『えーとー、学校の成績を上げたいんですけどー』

「それじゃみくるちゃん、回答をどうぞ!」
「え、えっと〜、まずは先生のお話をよく聞いてですね?」
「うーん、つまんないわねぇ…」
「そりゃそうだろ、結局は真面目にやるしかないってことだ」
「お? みっくるー! なにしてるにょろ?」
「あ、鶴屋さん〜」
「成績不振のこどもを落ちこぼれの危機から救うべく議論してるのよ」
「してねーよ」
「そんなもん、ちょろんと先生に山吹色のお菓子を送っちゃったらいいんさっ!」
「うわーお、おっかねもちー! ってそんなことしてるんですか?!」
「いっつぁジョークってやつさ!」
「そんじゃお金は大切よってことでこの話はおしまい!」
「終わらせるなー!!」
「それじゃ二人目ね」
「うわ、こいつ本当に次に行きやがった!」

パイロットになりたいけどどうすればいいですか?』

「お、結構まともだな」
「古泉くん、お願いね」
「かしこまりました。それではパイロットも経験している新川さんに聞いてみましょう」
「自分で答える気ねえーっ!!」
「ご相談承りました、新川です」
「しかも来ちゃったよ!」
「さて、パイロットなのですが『機関』で訓練しましたからなあ。恐らくは実働で経験するのが一番かと」
「え? 経験論? ていうか新川さん、免許は……」
「大丈夫です、全て『機関』で用意済みです」
「偽造?!」
「いえ、ほんの少し手続きを飛ばしているだけですよ」
「それを偽造って言うんじゃねえか!!」
「結論は習うより慣れろってことね?」
「さすがです、涼宮さん」
「やってみてから考えたらよろしいかと」
「そういう問題じゃねえーっ!」
「はいはい、そんじゃ次ね」
「え? 俺おかしなこと言ってる?!」

『赤ちゃんはどこからくるんですか?』

「おお、まともだが答えづらい質問だな」
「こういう時は有希、お願い!」
「おいおい、長門だって答えづらいだろ」
「大丈夫、まかせて」
「ほう、えらい自信だな。それじゃ長門、やってみろ」
「回答する。人間がその子孫を残すべく繁殖する場合、女性の膣内に男性の性器を挿入して子宮内に精液を注入し、精子卵子に」
「わーっ!! 待て! 待つんだ長門!!」
「………なに?」
「いや、なに? じゃないだろ! お前そんなにストレートに子供に言っちゃったらまずいんだって」
「わたしは間違っていない」
「正しいから困るんだよ!」
「ねえねえ、それでどうなっちゃうの?」
「お前も聞くなー!」
「…………詳しくはこれを」
「何? パソコン?」
「あ、お前それって……」
「ぐはあああああっ!!」
「最新作」
「わかったからエロゲをハルヒに見せるな!」
「え、えっちな事はいけません!」
「涼宮さんが鼻血を出して倒れてしまったので、ここで一旦CMです」





「えー、ちょっと混乱したけど最後の質問ね」
「どうでもいいがティッシュは鼻から抜いておけ」
「最後はキョンに締めてもらうから覚悟しときなさいよ?」
「わーったよ、そんで質問はなんだ?」

『我がままだけど笑顔が眩しいポニーテールが似合いそうな美人のクラスメイトと、無口で本が好きで万能選手なショートカットの同級生と、優しくてナイスバディでメイド服がよく似合うちょっとドジっ子な上級生の美少女がいるんですけど、誰を好きになればいいのでしょうか?』

「なんとも贅沢な質問な気もするが、ってどうしたハルヒ?」
「へ? いや何でもないわよ?!」
「………早く回答を」
長門?!」
キョンくん〜、どんな答えになるんですかぁ〜?」
「あ、朝比奈さんまでどうしたんですか?」
「いいから早く答えなさい! ほら、クラスメイトとか!」
「いや、なんでいきなりポニーテールにしてるんだ?」
「ショートカットは万能選手。わたしは彼女と共にいることを推奨する。そしてまた図書館に…」
キョンくん、お茶です!」
「なんだぁ?! というか、みんな近い! 近すぎる!!」
「さあ早く選びなさい!」
「………早く」
キョンく〜ん…」
「どうなってるんだーっ!!」





























「さて、回答者が何やら不穏なことになってしまったので質問はここまでとさせていただきます。また次回機会がありましたらお会いいたしましょう」
「提供は鶴屋グループでしたっ!!」