『SS』 二歩・Dialogue


「あ〜、退屈よね〜、何かないのかしら?」
「おい古泉、それ二歩だぞ」
「ああ、これは失礼」
「ねえキョン織田信長が占拠したあと名前を変えて、」
「そりゃ岐阜だ」
「結婚した相手のお父さんですね」
「それも義父です、朝比奈さん」
「…………レーダー妨害片。対電子戦資材の一つで、電波反射率の高いアルミ箔片(はくへん)」
チャフだな、長門
「車などで使われる差動歯車のことですよ」
「デフじゃねえか」
「未亡人って可哀想よね………」
寡婦といいたいのか?」
古代ローマにおける家族団体の長らしいですね」
「それも家父ですね」
「……師匠」
「師父だな」
「もしもですよ?」
「IFだろうが」
「あー、この間値引が、」
「オフだったか」
「先日募金した」
「寄付したのか、えらいぞ長門
「勝敗を書きましょうか?」
「こんな棋譜いるか?」
「紡績用に短く切断した化学繊維。糸に豊満性をもたせるために捲縮(けんしゆく)させることが多い」
「そのスフはわかりにくいと思うが」
「おじいちゃーん!」
「祖父だー!!」
「流石ですね、この中で的確なツッコミです」
「タフと言いたいのか?」
「立場や地位ですね」
「地歩ですけど、そういうのに興味あるんですか?」
「あ、キョン、虫刺され」
「塗布しとくよ」
「切妻(きりづま)造りや入母屋(いりもや)造りの妻側にある三角形の部分。また、その斜め部分に打ち付けた板」
「破風だぞ、というかよく知ってるな」
キョンくん、これこれ」
「皮膚ですけど、別にほっぺを引っ張らなくてもいいですよ」
「着物用のコート買おうかしら」
「被風なら俺より鶴屋さんに聞け」
「将来は保育園に、」
保父が似合うとも思えんぞ」
「不明物質量。核物質不明量。核物質の帳簿在庫と実在庫との差をいい、軍事利用されていないかどうかの目安とする」
「MUF 【マフ】と言いたいのか?」
「あー、温泉行きたいわねー」
由布なんかいいよな」
「出来ました!!」
「何が出来たの、みくるちゃん?」
「課題の絵なんですけど」
「あ、まだラフなんですね」
「ところでキョン、あたしは?」
「お前にはラブだ」
「へ?!」
「あ、あわわ………」
「………」
「おやおや」
「ところで古泉、それ二歩だぞ」
「スルーするなーっ!!」