『SS』ちょろんと真夏の奇跡なおはなし

やあ、今日も楽しくなりそうだね! ウキウキしながらあたしは姿見の前に立つ。
身の回り、よし!
帯もばっちり! あたしはクルッと回って自分の浴衣姿をチェックする。
さーて、これ以上待たせちゃうと可愛いみくるが蚊に刺されちゃうかんね!
「おーい! みっくるー! 待たせてゴメーン!!」
カランカランと下駄の音も高らかに、あたしはみくるが待ってる門の前まで走っていった。
「いいえ、全然。それより走ると危ないですよ、鶴屋さん
なーに、こう見えても結構着物は着る機会が多いかんね、下駄だってダイジョウブイ!
なーんてちょっとふざけてジャンプなんかしちゃったら、
「あわわわ、つ、鶴屋さん! その、前がはだけちゃいますよう………」
あははは、心配無用! このくらいで着崩れちゃうような着方なんかしてないよっ!!
「そうなんですか? いいなあ、あたしなんかどうしても形が崩れそうで………」
そりゃそんなでっかい胸だと浴衣なんかは危ないよ! ほーら、胸元なんかパカッと開いちゃってさ!
なんて言いながら両手をワキワキさせちゃうと、
「ふええええ〜、そ、そんなぁ〜、その手はやめてくださいよぅ〜」
わっはっはっは! ごめんごめん、ちょろっとからかいすぎたね! さーて、んじゃ行きますか!!
「はい、もう涼宮さんたちも待ってると思いますよ」
そうかい、ハルにゃんも有希っこも浴衣なんだよね?
「ええ、一応皆さん浴衣で、って涼宮さんが」
そっかそっか! うんうん、やっぱお祭りはこうじゃなくっちゃね!!
あたしはみくるの手を引っ張りながら待ち合わせ場所まで歩く。
今日は近所の夏祭り。
あたしはハルにゃんに誘われて、ちょこっとSOS団の活動に参加させてもらったのさっ!
まあお祭りだもん、みんなで楽しもうってならそれもいいんさ!



カラコロと二人の下駄の音が心地良いね、やっぱ日本人っていいな!
なーんて当たり前な事なんか思いながら、みくると待ち合わせ場所に行けば、
「やほー! みくるちゃん、鶴屋さん!!」
明るく笑って手を振ってくれるハルにゃん。真っ赤な浴衣に笑顔がはじけてる、うんうん、おねーさんも楽しくなっちゃうね!
あ、隣のみくるは薄いピンクの浴衣なんだけど、これも可愛いんだ! もうついつい抱きしめたくなっちゃうね!
そんで、
「やあ、どうも。本日はお世話になります」
いつも礼儀正しいな、古泉くん! こげ茶色の浴衣なんて渋いね、また似合うから本当に色男さんは得だねっ!
「いえいえ、鶴屋さんにそうおっしゃられると照れますよ」
なにをおっしゃるウサギさん、なんてね。ま、いい男ってのはそんなもんだよ?
で、
「………………」
濃紺の浴衣に身を包んだ有希っこも可愛いなあ。さすがに暗くなってきてるから本は読んでないけどね。
さてさて、これで最後は決まってるよね?
「もう! キョンの奴ったら鶴屋さんもいるのに待たせるなんて団員としての自覚が足らなすぎるわ!!」
そんなに怒んなくても、まだ待ち合わせ時間まで10分はあるんだけどね。
あたしも最初みくるに言われた時はビックリしたもんさ! でもね?
「これも涼宮さんが望んでいるんですよ」
って言われちゃったからね。
なんでキョンくんが最後じゃなきゃいけないのか分かんない…………そんなこともないかな? ちょこっとだけハルにゃんの気持ちも判っちゃうかも。
それは多分、みくるも有希っこも同じなんじゃないかな?
結局最後になる男の子っていうより、その子が何をしてくれるのかってことだね!
ほーら、みんなが彼を待ってるんだ! その時間さえ楽しみながらさっ!



「はあ、いつからいるんだお前らは…………?」
あはははは、そりゃそうも言いたくなるねえ。ため息吐きつつ、キョンくんがやってくる。それでも集合時間5分前なんだから立派なもんだよ、うん。
「コラーッ! このバカキョン!! あんた遅れてんだから少しは走ってくるなりしなさい!!」
「アホか、これでもようやく着慣れないのを着付けたんだぞ。走ったりしてめくれ上ったりしたら目も当てられん。第一下駄履いてんだぞ? 走れるもんかい」
ふむふむ、着慣れないとそんなもんだよね? まああたしなんかは慣れっこだからなんでもないけどね!
「いちいち言い訳すんな! もちろん遅れたから罰金なんだからね? 今日はお祭りだから縁日を全店制覇するわよ!!」
「へいへい、ただ似たような店ばっかなんだからほどほどにしといてくれよ」
何だかんだ言ったって、キョンくんもお財布には余裕を持ってきたんだねえ。奢ってあげるのも当然ってとこかな? ハルにゃんもキョンくんも素直じゃないからねっ!
それでキョンくんはあたし達に挨拶してくれた。
「ああ、朝比奈さん、鶴屋さん、すいません遅れまして」
「ちょっと! その前にあたしに謝りなさいよ!」
「時間には間に合ってるだろ? 先輩を待たせたから悪いってだけだ」
「むう〜…………」
にゃはははっ!! いいねえ、この掛け合い! ほんと楽しませてくれるね、この二人。
そんでもってわざわざ挨拶ありがとねっ! キョンくんも今日は楽しもうじゃないかっ!!
「そうですね、まああいつがいれば嫌でも大騒ぎでしょうが」
「なにか言った?」
「うんにゃ、なんにも」
シラを切るキョンくんに詰め寄るハルにゃん。見てて飽きないね、まったく!
おまけにキョンくんが、
「おう長門、待ったか?」
「……………別にいい」
なんてやっちゃうもんだから、
「コラー!! 有希に変なちょっかい出すなー!!」
ってなっちゃうんだよね。分かってないキョンくんって面白いなあ、まあ分かんないからキョンくんか!
「おや? 僕には何もないのですか?」
「ああすまん、ハルヒを止めてくれ!」
追いかけっこするキョンくんとハルにゃん……………ほんと、楽しいねっ!! あたしは困ってるみくるの隣で爆笑しちゃったのさっ!



「ほらほら! 早く次の店に行くわよ!!」
「おい、まだ食うのか? さすがに俺の財布は打ち出の小槌ってわけにはいかんのだぞ?」
「何言ってんの! それならもっと早くに集合しなさいよね!! ほら有希! 次はたこ焼きにしましょ、たこ焼き!!」
「了解」
「おい長門! お前まで………………はあ、やれやれだ…………」
元気に有希っこを引っ張るハルにゃんに肩を落としながらも付いて行くキョンくん。見事に尻に敷かれてるね。
なーんて、あたし達まで奢っちゃってもらってるのに言っちゃあいけないかな?
はし巻きをかじりながら、りんご飴を食べきれないでいるみくるに声をかける。
「そうですね、でもみんな楽しそう」
そうだね! みくるも楽しいかい?
「はいっ!!」
うんっ! いい返事だ!! あたしも楽しいよ!!
「ええ、涼宮さんとキョンくんの周りだといつも楽しいですから」
ふっふーん? キョンくんの、じゃないのかなー?
「つ、鶴屋さん?! そんなキョンくんだけがってことじゃなくって!!」
あはっ! ちょろっとからかっただけなのに、みくるったら可愛いなあ。
「もう、鶴屋さんったら…………」
まあまあ、あたしが悪かったにょろ、ごめんね、みくるっ!
でもさ、さっきのキョンくんも面白かったよね、古泉くんにラムネを奢るときの顔ったらなかったよ!
「うふふ、もう鶴屋さん言い過ぎですよ」
だってあの苦虫噛み潰しきった顔はないよ? そんで古泉くんも当然のようにお礼言っちゃうんだから。
「あはは、そうですね、古泉くんも笑ってましたもんね」
まったくだよ、分かってやってるんだから古泉くんも悪よのう。
「あはははは!! 鶴屋さん、その口調怖いですよう」
なははは! みくるも笑ってくれたし、その古泉くんはあたし達の前で聞こえてなかったみたいだし。
そんな楽しい雰囲気を作ってくれてるのは、
「はあ………明日からどうすんだよ……………」
たこ焼きの屋台の前で財布を開けてため息をついている男の子なんだよ、あたしもみんなもそれが分かってるんだ!


「さあ、キョン! 今夜のメインイベントなんだからいい場所取るわよ!!」
「その割に型抜きに最後まで嵌まってたのはお前だがな」
「なによ、あそこまで完璧だったのにほんのちょっとの欠けを鬼の首を取ったように見つけてお金払わないあの親父が悪いんじゃない!!」
「いや型抜き一つにそこまで熱くなるなって事なんだが」
「まあ有希がリベンジしてくれたから良しとしときましょう!」
「………………」
「まあ良くやった、長門
いやー、あの型抜きはこの祭り史上最高の盛り上がりだったんじゃないかな? みるみるギャラリーが集まってきたからね。
そして有希っこが抜いた型をおやっさんが見てガックリ肩を落としたあの瞬間。
いやいや、SOS団のみんなといると厭きるってことはないね!!
そして、
「そろそろ花火が上りますね、移動しませんか?」
さすが古泉くん、タイムスケジュールの把握はバッチリだ! 良く気が利くね、よっ! 副団長!!
「そうね、せっかくだから一番いいとこで見なきゃ!」
と言うハルにゃん団長の一声であたし達は花火の為の場所取りに向かったんだけど。



「えーと、大丈夫ですか、鶴屋さん?」
あたしは全然平気さ! それよか、キョンくんこそ平気かい?
「はあ、まあ俺は何ともないですが」
うーん、そんなこと言ってるけど、実際はあたしを庇って大分背中を押されたり、足を踏まれてるのを見ちゃってるんだよねえ。
やっぱりあたしを心配させたくないって思っちゃってるのかなあ? 裸足なのに痛そうな素振りも見せないキョンくん。無理しちゃってないといいんだけどね。
でもキョンくんはやっぱりあたしを庇いながら周囲を見回し、
「しかしどこ行ったんですかね、ハルヒの奴は…………」
人の事ばっか心配しちゃうんだね、君は。そんなだからハルにゃんもみくるも有希っこも古泉くんだってキョンくんの側にいたくなっちゃうんだよ?
何でこんな事になっちゃたかといえば、あたし達は花火の場所取りに移動してたらさ、やっぱ動くのが遅かったのか、
「あれ?! つ、鶴屋さ〜ん!!」
「あ、みくるちゃん?! ちょっと、どこ行ってんのよ?」
「コラ、あんまり動くなハルヒ! はぐれ………」
「涼宮さん、危ないですよ!」
「おい古泉!!」
「ふわああ〜、た〜す〜け〜て〜く〜………」
「みくるちゃんを追うわよ!」
「だからお前まではぐれるって!」
「一旦ここから出ましょう!」
そんな感じでみくるがあたしの隣から消えたと思ったら、
「あら? 有希は?」
長門もか?!」
有希っこはちっちゃいからね、これだけ人がいれば判らなくなっちゃ…………
「キャアッ!!」
「おいハルヒ?!」
あ、ハルにゃんまで人の波に!!
「涼宮さんを追います!」
「あ! おい、俺もそっちに、」
とか言ってるうちにも、
「にょろん?!」
「ちょ、鶴屋さん!!」
あたしまで巻き込まれちゃって、キョンくんが庇ってくれて、
「で、どこに行ったんでしょうか? あいつらは……………」
さあ…………さすがの鶴にゃんにも分かんない事があるんだよ。
「ですよね…………」
人波から放り出された頃にはこうして二人っきりでどこにいるのか判らない状況なんだよね…………………うーん、まいっちゃったなあ。



「まああいつらなら大丈夫とは思いますけど、朝比奈さんだけは心配ですね。ハルヒが側にいればいいけど…………」
ううむ、ハルにゃんはギリギリ追いついたような気もするね、でもそのハルにゃんの心配はいいのかい?
「あいつはほっといても何とかしますよ、それにあれでも団員を守るっていう気持ちは強いみたいですから」
おや? ずいぶんハルにゃんの事、信頼してるんだねっ!
「そんなんじゃないですよ」
苦笑するキョンくんだけど、どんだけみんなの事をよく見てるのかが判っちゃうよ。
だから有希っこや古泉くんなんかは、
「あいつらは俺が心配される側でしょ」
まあね、あたしもあの二人はなーんにも心配してないよっ!
「ですよね、長門なんかは今頃ハルヒと合流できてるかもしれませんよ?」
うん、有希っこは大丈夫だね。んじゃやっぱ、みくるが心配かなあ?
「はい、だから俺たちも動きながらハルヒに連絡してみましょう」
そう言いながらキョンくんは携帯を取り出す。けどすぐに、
「あぁくそっ! 圏外ってどういうこった?」
やっぱりこの人ごみじゃ電波も通じにくいみたいだね、こりゃ連絡も無理っぽいか。
鶴屋さんの携帯はどうです?」
そう聞かれたからあたしも携帯を取り出して見るんだけど、
「あちゃー、やっぱ駄目みたいにょろ………」
アンテナが1本も立ってない携帯の画面をキョンくんに見せた。
「やっぱりそうですか………………ってなあっ?!」
へ? 何驚いてんのキョンくん…………………って、
あぁーっ!!!!
そ、そうだった!! 今のあたしの携帯の待ちうけ画面!!
そう、今あたしが待ちうけに設定してんのは一人の男の子が笑ってる写真。
その男の子ってのは当に目の前にいたりなんかしちゃってたりなんかしちゃって!!
うぅ…………鶴にゃん一生の不覚………………まさかキョンくんに見られちゃうとは……………
「あ、あー、鶴屋さん? あのー、そのですね? なんで俺の写真なんか待ちうけにしてるんですか?」
うわー、それ聞かれちゃう? えーと、多分ハルにゃんもみくるも有希っこは携帯持ってないんだっけ? でも持ってたら絶対に同じような待ちうけになっちゃいそうなんだけどね?
うん、つまりはそういうことなんだ! あたしは確かにSOS団のみんなを少し下がったとこから見てるのが好きさ!
それであたしみたいなタイプは十分満足だし、これからだってたまにみんなで騒げたらいいんだよ?
でもね?
離れてるから分かるんだ、みんなの気持ちが。
そこに誰がいるのかってことが。
実はね? 最初みくるが何でキョンくん、なのか分かんなかったんだ。だってみくるは可愛いし、それにハルにゃんだって有希っこだって美人さんなんだから。
キョンくんには悪いけど何で? って。
でも段々分かってくる、キョンくんだからなんだって。そうだね、その誰にも偏見とか持たない優しさとか、全部をなんだかんだ言いながらも受け止めちゃう心の広さとか。
外見とかじゃなくて中身の問題なんだよね、結局は。
だからあたしだって、そんなキョンくんに惹かれたっておかしくないよね? あたしだって女の子だもんね!
だけどさ、それでもあたしはみんなの近くで見てるだけでも良かったんだよ。ほんとにそう思ってる。
なのにやっちゃった! やばい、どうする鶴にゃん?!
「え、えーと……………嫌だったにょろ?」
いやそんなんじゃないよね? なに聞いてんだろ、あたし。
「は? い、いやいや!! そんな嫌だなんてとんでもない!! むしろ俺なんかでいいのやらなにやらって何言ってんだ、俺は?!」
真っ赤な顔でブンブン首を振るキョンくんがなんか可愛くってさあ。結局あたしの方が笑っちゃった。
「あっはっは!! うん、そのキョンくんの顔が好きだからさ!!」
それは本当の事だかんね、やっぱあたしは正直が一番だよ!!
「え、いや、はあ、ありがとうございます…………」
うんうん、苦しゅうないぞ。あたしの笑顔にキョンくんもつられるように笑う。
そうだよ、笑ってるのがいいに決まってるんさ!
そんなあたし達に、



ドーンッ!!



「あ、始まっちゃいましたね、花火」
そうだね、始まっちゃったねえ。
空一面に咲く大輪の華。
周りの人たちも皆、花火を見上げてる。
そんでもって二人っきり。
うん、まるで奇跡みたいなもんだね! だってあたしはここにいちゃ駄目だと思ってたから。
だからさ、ちょこっとだけ奇跡に酔っちゃってもいいんだよね?
空を見上げながら少しだけくっつけた手がしっかりと握られて。
そのまんま、あたしは頭を思ったより広い肩に乗っけるくっつけっちゃたりして。
気付いたら繋いでた手があたしの肩に回されてたりもしたんだけど。
まあこれも真夏のお祭りが呼んだ夢、みたいなもんなのさっ!!
あー、綺麗だったな、花火。
優しくって、大きくて、あったかい。
だからあたしの顔もキョンくんの顔も真っ赤っかだったんだ……………



「もう!! 結局みんなバラバラだったじゃない!! 何なのよ、再度打ち上げを要求するわ!!」
「無茶言うな、それよりあれだけの混乱で怪我とかなかっただけマシだ。こうやって再集合もできたしな」
「それじゃ意味ないのよ! みんなで花火が見れなかったのが問題だって言ってんの!!」
「ならもっと早く動くべきだったな、いいじゃねえか来年への反省が出来て」
「だーかーらー!! 来年じゃなくて今現在が問題なのよ!!」
「まあまあ、涼宮さんもキョンくんもそのへんで…………」
「みくるちゃんは黙ってて!!」
「ふわぁい………」
あはは、花火が終わって少し人通りも落ち着いたとこでキョンくんの携帯が鳴り出して、みんなが集まってからずっとこの調子だよ。
まったく、ハルにゃんも素直に、
キョンと一緒に花火見れなくて、あたし残念!!」
とか言っちゃえばいいのにねっ! まあそれが言えないのがハルにゃんなんだけどね?
でもまあみくるも困ってるし、あたしが助け舟でも出すとしますか!
「ねえねえハルにゃん? それならあたしんちで花火でもやるかい? うっとこならまだ買い置きの花火もあるからさっ!」
どうせ貰いもんとかばっかだし、使わないまんま置いとくよりその方がいいに決まってるよ!
そしたらハルにゃんも目を輝かせて、
「いいの?! それなら決まりね! ほら、早く行くわよキョン!!」
もうキョンくんの手を引っ張って走り出しそうな勢いだね、喜んでもらえればなによりさっ!
「本当にいいんですか? こんなに遅くにお邪魔しちゃって……」
んー? いいっていいって! みくるはなんだったら泊まってくかい?
「えー? どうしよう…………?」
あっはっは!! まあそれはあたしん家で決めたらいいさ! 
「すいません、ではお邪魔します」
「……………」
古泉くんも有希っこも遠慮しなくていいからね? パーッとやっちゃおう!!
「それじゃあ出発!! みんな行くわよ!!」
キョンくんの手を引っ張りながら先頭を切って歩きだすハルにゃん。
古泉くんもみくるも、あんま表情が分かんないけど有希っこも笑ってくれてると思うよ!
そんでもって、そんなみんなを見るあたしも大満足だっ!!
いい思い出も出来たしね!!
引っ張られた時にほんのちょこっと視線で謝ってくれた男の子。
うーん、ほんと今日も楽しかった!! もう少しだけ楽しみも延長しちゃうしね?
だからあたしの足どりも軽い。
みんなと過ごすこの時間が、あたしにとって最高なんだからねっ!!!



………………でもさ? もう一回だけ、あんな奇跡があってもいいのかなって、ちょろんとだけ思っちゃうのもしょうがないよね?
こんな事言ったらみんなにおこられちゃうかもね、にゃははははっ!!


 

あとがきというかなんというか

どうでしょう、あの所謂鶴屋さん語をなるべく使わないような、それでいて鶴屋さんだと分かるような感じになったでしょうか?
三単元さんにも喜んでもらえるかなあ?
こんな感じでリクも受け付けますのでお気軽にどうぞ。