『SS』古泉一樹の過去 ※

そうです、私、古泉一樹はごく普通の、というよりもどちらかと言えば夢見がちな少年だったといっても良いのではないでしょうか?
赤い服を着たサンタクロースの存在だって、実は小学校の4年生まで信じていましたし。
煙突のない私の家に入りやすいように、クリスマスの夜に窓を開けっぱなしにして風邪をひいてしまった上に無用心だと両親に叱られたのも、今となってはいい思い出です。
あ、そんな話はどうでもいいんですよね? 申し訳ありません、ですが私がこのようなごく普通の子供であったことは知ってもらいたかったものですから。


そのような夢見る一樹少年の人生を変えたのが私が中学生に入学して間もなくのことでした。
その瞬間の事は今でも夢に見ることがあります。私は、あの時から夢見る少年でいられなくなったのですから。
あれは何の前触れもありませんでした。


ドンッッッ!!!!


私は強烈に地面に叩きつけられる衝撃と共に目覚めました。衝撃?! 私は確かにいつものようにベッドに入り…………
「気がついた?」
誰? 私を見下ろす女の人。
「そうね、自己紹介は後にするわ。それよりも『アレ』をどうにかしないと」
『アレ』? 私が痛みも忘れて見上げたその先には、
「な、なんだぁ?!」
それはまるで信じられない光景。青く光る巨人が立ち上がっていました。
「ど、ど、」
事態の展開の速さにまったくついていけない私に、初めに声をかけてきた女性(見ればあまり年齢が変わらなそうな若い人でした)が、
「だから説明は後で。さあ、あなたの力を見せてもらいます!」
力? 何の事だ? そんなことはお構いなしに女性は巨人に向かい駆け出して行きます。巨人も私たちに向かってくるかのようです。


グオォォォォォン!!!!


巨人が唸る声が周囲に響き渡り、


グワシャ―――――ンッ!!!


その巨大な腕が振り回されると、周囲の建物が次々と崩壊していきます。
夢だ、これは悪い夢なんだ!!
「うわあぁぁぁぁぁぁぁッッッッッ!!!!」
私は走り出しました。巨人の逆の方向へ、ただ逃げるために。
女性のことなどもう頭の中にはありませんでした。ただただ怖かったんです。


シュバババ―――――!!!


何かが背後で赤く光り、


ゴォォォン!!!


なにかが割れるような音と共に地面が揺れて、私はその衝動で跳ね飛ばされてしまい、再び意識を失ってしまったのです……………





「………………と言ったストーリーがオープニングの予定でして」
あ、そうなの? なにか今やってることとえらく違わないか?
「はあ、この後に神人との初対戦編と古泉一樹特訓編などと通して現在に至る流れなのですよ」
ふーん、でさあ? それってどのくらいあんだ?
「ええ、一応今回を序章としまして全5部作の長編となっております」
なげえよ!!!!
俺のツッコミが古泉の脳天をかち割る勢いだったのは当然だろう。


※このSSは嘘SSです。


言い訳するしかない

古泉の一人称が「私」なのは仕様です。はっきり言って違和感あります。しかし「ハルヒちゃん」世界の古泉はこうなので、仕方なく遵守してみました。
これ直してくれないかな、やっぱ。
という不満とかが今回のきっかけなんだから不思議なもんだ。