『SS』 とある男子高校生どもの日常会話・4:Dialogue

「なあ、キョン〜、国木田よう〜」
「うーむ……」
「どうしたんだい、キョン?」
「いや、め○かボックスもすっかりバトルおっぱい漫画になったなあと」
「でもジャ○プ的にはいいんじゃないの?」
「まあ打ち切りフラグは消えつつあるからな。しかし西○維新が原作じゃなくていいんじゃないか、これ? ぶっちゃけ作画は上手いんだから原作者のネームバリューは逆に重荷にしか感じないのだが」
「そうだね。西○ファンからすれば物足りないだろうし、セリフ回しなんかで違和感感じたりするかもね」
「それにどこまで描けばいいのか分からなくなりそうだよな」
「まあ過激な表現はダメだろうしね」
「ジャ○プコードってやつか?」
「少年誌的な、でもいいかも。けど、マガ○ンなら許されそうな気もするなあ」
「いっそ少年誌じゃなくて青年誌に移った方が自由に出来そうだけどな」
「ウル○ラジャンプとか?」
「消す位置が悪かったな、それ」
「はっは〜ん? さてはお前ら、俺の話を聞く気が無いな?」
「ばれたか」
「巧妙に隠したはずなのに谷口もやるね」
「露骨過ぎるくらいに話を外らしてるじゃねえかっ! しかもジャ○プネタで押しまくりやがって、せめて角○で話せよ!」
「え、それはちょっと……」
「正直漫画版の事話したら叩かれそうだし」
「そういう感想しか持てないのかよ…………」
「まあ」
「ねえ」
「な? これ以上続けると碌な展開にならないだろうから、俺の話を聞けよ」
「そうだな」
「で、何の話なんだい?」
「いや、一度でいいから3Pってやってみてーなーと」
「帰ろうか、国木田」
「うん。110番に電話したら行くよ」
「待て! 何だ、その反応?! ちょっとしたエロ話のどこがおかしいんだよっ!」
「いきなり3Pのどこがちょっとしたエロなんだよ」
「しかも教室でってとこに変態性が表われてるね」
「何だよ、学校で野郎同士エロ話に花を咲かせるなんて当たり前の事だろ? こっそりエロ本の貸し借りとかだってするじゃねえか」
「その辺は理解出来るな」
「だろ?」
「だが、いきなり3Pってのは飛躍しすぎだろ。なんかあったのか?」
「多分そんなAVでも見たんじゃない?」
「そうそう、すっげえ良かったんだって! まあ男なら一度は憧れるけどよ、こう両手に抱え込んでさー」
「うーん、どうだろう? 僕はそういうのは好きな人と二人ってのがいいけど」
「バッカだなあ、男ならハーレムだろ。大奥に憧れろよ、後宮作りたいって思えよ」
「つまりは女に囲まれたいってことだな」
「そうそう。けど、まずは3Pだな。俺だったら二人の女を同時に満足させるなんて楽勝だぜ」
「そうか?」
「童貞ならではの妄想だから何でも出来ると思うんだよ」
「どういう意味だ?!」
「いや、冗談じゃなくて実際に3Pなんてやらない方がいいと思うぞ」
「何だ、キョンも二人でラブラブな方がいいのか?」
「そうじゃない、とも言い辛いが本当に違うんだよ。ああいう3Pとか言うのはあくまで男だけが喜ぶものだろ」
「そうでもないんじゃないのか? 女だって承知で二人いるんだし」
「それがそうでもないと思うんだよ」
「何か根拠があるのかい?」
「ああ。うちの親父がスポーツ新聞を読んでてだな? それを後で俺も読んでたんだ」
「それと3Pにどんな繋がりがあるんだ?」
「まあ聞け。そういう新聞には大抵エロ記事のページがあるだろ。当然俺もそこに目を通したんだが」
「そこは避けて通れないんだね。やっぱり男子としては」
「思春期の男性としては当然だな。そこに書いてあった記事の中に女性だけでエロについてトークするコーナーがあったんだよ」
「ほう、それで?」
「たまたま見たのが3Pについてだったのを思い出したんだ。ああいうのはやはり女にとっては面白くはないらしい」
「具体的に書いてたの? だったら聞いてみたいけど」
「まず女性からするとやはり独占したいという思いは強いらしい。それに男がどちらかに行為をしている時は片方は待つようなもんだろ? その時に冷めちまうらしいな」
「そこは同時に愛するのが男のテクだろ」
「馬鹿言うな、どうしたって偏るに決まってるだろ」
「何で?」
「手は二本あるけど口もナニも一つしかないじゃねえか。それでどちらかとヤッてるのを見せられても興奮よりも寂しいというか、冷めるんだって書いてたぞ」
「そ、それは…………まあ、なあ……」
「確かにそれはあるかも」
「かといって変に取り合いになるとギスギスするし、男の方が萎えるから結局ダメになるんだとさ。それこそAVみたいなもんじゃなければ割り切って出来ないとかじゃないか」
「う、ううん…………」
「勿論そういうのが好きな女もいるかもしれないが、それを期待するのは女には酷ってことだな」
「彼女にそういうのを求めるのもおかしいよね」
「そうかもな、やっぱAVだからなのかもなあ」
「そうだよ、その前に谷口はそういうことが出来る子を一人でも捕まえないと」
「ま、結論としては3Pなんて女にはあまり楽しいもんでもないから男のワガママだけで強要するもんじゃないってことだな。なあ、ハルヒ?」
「そうね、3Pなんて所詮は男の自己満足だと思うわ。でもキョンは前戯は平等にしてくれるし、あたしとシてる時はあの子それを見ながら自分でいじってるもんね。それに、待ってる間に冷めちゃうって言うけど、あの有希がね? いつも無表情の有希がキョンに抱かれてる時は蕩けそうな顔してんの! それがすっごい可愛くってさあ、思わずキョンを押しのけてお持ち帰りしたくなっちゃっうのよ! だから、あたしは別に3Pが嫌いってほどでもないけどね」
「……………………」
「あー、すまん。訊いた相手が悪かった」
「意外だったね、涼宮さんは独占欲が強そうだと思ったんだけど」
「誰か他に聞けば良かったか?」
「その前に谷口が目から血の涙を流しながら倒れたからどうにかしないと」
「待ってろ、119番に電話するから」
「結局電話はするオチになったねえ」


このシリーズ、サブタイトルを「キョンくんったらオニチクさん」ってしてもいいかもしれない。