『SS』ちいさながと・お昼休みに〜

俺が十二分の一サイズに小さくなってしまった長門有希と所謂恋人同士という関係になってどれほど時間が経ったのかは最早どうでもいい話なのだが、その間小さな有希は常に俺と共に在り、それは俺の家であろうと学校であろうと関係がない。
つまりは24時間一緒にいるということであって、それは同棲とか言われても何も反論するつもりも無い。俺たちは一緒にいることを当然だと思っているし、お互いにそれを望んでいるのだからいいんじゃないだろうか。
しかしいくら一緒に居たいとはいえ一見人形にすら見える有希を連れたまま俺が歩いていたら、どうみても不信人物そのものな訳であってだな。
そこで有希は通常はステルスモードという要するに俺以外の人間には見えない状態で俺の肩の上を定位置としていることをご理解いただきたい。
ここまでが大まかな説明なのだが、本来の話はここからとなる。
それはある日のことだった。
いつものように適度に真剣な振りをしながら午前の授業を終え、昼休みのチャイムが鳴ると同時に後ろの席の団長閣下が風を巻くように教室から飛び出した後の事だった。
少し前だったら谷口や国木田の席に弁当を持っていって昼食となるところだったのだが、最近はハルヒが見えなくなったのを確認してから俺は教室を出るのだった。
初めのうちは色々谷口に言われたりもしていたが、今となっては二人とも軽く挨拶程度で済ませてくれている。この二人にはある意味感謝しないとな、何も言わなくても分かってくれる奴がいてくれるというのはありがたいものだ。
そんな俺が向かうのは旧校舎にあるSOS団の部室である。理由は言うまでもないだろう、
「…………………お腹すいた」
と言う肩の上の恋人とゆっくり弁当を食べる為なのだ。ここ最近は正直に感情を表現することも多くなり、俺としては素直な有希が可愛く思えて仕方ないので自然と早足になってしまうのだが。
まあ時間としても昼休みの移動時間は昼食時間を減らすものなのでなるべく急いでおくに越したことは無い。
この時間に旧校舎へ向かう者などほぼ居ないに等しいので、俺はただ一人で部室に向かっているようにしか見えないだろう。
ところがこの日、珍しく俺に声をかける人物がいたのだ。
「どうされたのですか? この時間に旧校舎へ向かうなんて。しかも飲食をするようでしたら生徒会としてはあまり肯定されるべき行為ではありませんけれど」
それを言うならあなたがここにいる理由というのも俺には検討が付きませんがね。
「そっちこそどうしたんですか、喜緑さん?」
有希と同じ何たらインターフェイスとやらであり、朝比奈さんと同級の先輩でありながらハルヒが敵視する生徒会の一員である喜緑江美里さんは微笑みのまま俺たちの前に現れたのだった。
思わず肩の上の有希を見れば、これもまた今まで俺が見たことのない表情だったりする。お前が眉を顰めて不信感を露にするとはなあ。
とりあえずはこの場を上手く切り抜けるしかないようだ、俺はなるべく穏便に済ませたいと思いながらも喜緑さんなら大丈夫だろうと高をくくっていた。
よくよく有希の言葉や態度を思い出せばそんなことを思いはしなかっただろうがな。
「あー、すいません。ちょっと部室にある物を取りに行こうと思い出しまして。そのついでで飯も食おうかなって。ほら、あそこなら静かだし落ち着くじゃないですか? 今日だけにしておきますので勘弁してもらえませんか?」
我ながら下手に出たものだが、先輩でもあるし生徒会と揉めたなどとハルヒの耳に入ればどういう目に遭わされるか分からんからな。
それに喜緑さんなら今の俺の事情も分かっているはずだ、ここはある程度正直に言いながら適当に誤魔化せばいいだろう。
ところが、である。俺の周りにいる女性陣は俺の度肝を抜かないといけないルールでもあるのだろうか?
「そうですか、では私も同席させていただいてよろしいですね?」
はあ? 何を言い出したんだこの人は。見ろ、いくら表情が出てきた有希とは言え目を丸くするなんて見られるとは思ってもみなかったぜ。
「えー、申し出は嬉しいんですが、まあ俺の方としては…………」
肩の上の有希と顔を見合わせれば、とにかく有希としては遠慮してほしい様子なのだ。何故かは分からないし、分かったら負けの予感がする。
するとそんな俺たちを見ていた喜緑さんが、まるで同級生の未来人のようにおずおずと、
「一つお伺いしたいのですが、先ほどからあなたはどこを見て話をしていらっしゃるのでしょうか?」
などととんでもない事を聞いてきたのだからややこしさに拍車がかかる。えーと、この人は何を言ってるんだ?
「いえ、あなたが右肩に対して視線を向けて話をしているのが不思議に思いまして」
不思議に思うのはこっちの方だ、どうにも話がかみ合わない。目の前にいるのは喜緑さんで間違いないよな?
「間違いなく喜緑江美里という呼称で呼ばれるインターフェイス体」
という有希のお墨付きもあることだし。だとすれば同じインターフェース同士なのだから有希が見えていて当然なはずだよな。
「あのですね、もう状況は分かってるんじゃないですか?」
からかうのなら勘弁して欲しいもんだ、これ以上俺と有希の食事時間を削られてはたまらない。
だがこのお方はどこまで本気なのか小さく首を傾げると、
「どういうことでしょう? 私は人間の言うところの曖昧模糊な表現が理解出来ない部分もありますので、状況というものを説明していただきたいのですが?」
そう言われてしまったらどうすりゃいいんだよ? 本当に喜緑さんには有希が見えていないのかもしれないと思えるようになってきた。
有希は不審そうな視線を喜緑さんに向けているが何も話そうとしないところを見ると判断に迷っているのかもしれない。
さすがだ、あの有希を以ってしてここまで困惑させる人がいるとは思えない。何より人ではないんだが。
「なにか失礼な事を考えていませんか?」
そこだけ気付くのかよ。どうにもペースを握られっぱなしなのにどうにもならないこの状態。
ここは強引に話を打ち切るしかないと俺は判断した。それを察知した有希が何か言おうとする前に、
「申し訳ないんですけど、その話は後からでもしますので。とりあえず飯食ってきます」
それだけ言ってこの場を立ち去ろうとしたのだけれども、そこは甘いとしか言えなかった。
「お待ちください、それなら私も同席してお話を伺いますので」
何ですと?! それは困る、俺は有希と二人で居たいだけなんだぞ。それに喜緑さんが万が一気付いていないとすれば有希はどうすればいいんだ?
すると有希が耳元で囁いた。
喜緑江美里がわたしの存在を察知していない確率はゼロとは言えない。その場合、わたしの存在を知られる事はあまり良いとは思えない」
なんでだ? お仲間同士なんだからいっそ知らせた方が校内に措いてはいいような気もするんだが。
「……………あなたは喜緑江美里をまだ知らない」
不気味なこと言わないでくれ。というかここまで有希が恐れる喜緑さんって一体何者なんだよ。
その喜緑さんは絶え間ない微笑みで俺たちを見ていたのだが、
「では何もないようなので参りましょうか」
って、あれ? いくらなんでもさっきのやり取りなら気付くでしょう? しかし喜緑さんは何も知らないようで、
「その独り言の理由も聞かなければいけませんね、それとも脳波でも調べますか?」
そこで笑顔で言われても遠慮します。そこまで壊れていません、つかどういう目で俺を見てるんだ?
「空中に向かって独り言を呟いているようにしか見えませんけれども」
……………真顔で言われると悲しくなってくるなあ。
なんだかよく分からんままに俺と有希は喜緑さんに先導される形で文芸部室に向かうこととなってしまったのだった。
ああ、有希がこれほど分かりやすく俯いてしまうなんて。
後悔は先には立たないものなのだと実感しながらトボトボと歩を進める俺なのであった……………





と言うわけで文芸部室である。何故かまるでここの主のように振舞う喜緑さんがさっさとお茶の用意を済ませると、
「では食事にしましょうか」
俺が自分の定位置に座った目の前、つまり古泉がいつもいる所に座っている。何故そこに座るんですか?
「事情聴取にはちょうどいいかと」
どんな犯罪者だ、俺は。何よりあまりシャレになってなさそうなのが怖い。
有希も何も言えないままに、ただ喜緑さんを見ていることしかないわけで。
ゆっくりまったりとしたランチタイムは取調室と化した部室で緊張感を持って迎えることとなってしまって、
「さあ、お腹も空きましたし」
ってあっさりと自分の弁当箱を取り出した喜緑さん。まずツッコむのはどこから取り出したんですか、それ?
「女性には隠せる所が数多くあるのです」
……………一昔前のエロ漫画の忍者物じゃないんだから。
「よくお分かりですね。さてはベッドの下には大量に………」
あのですね、今時そんなとこ隠すのはWAWAWA〜ぐらいなもんです。多分。
「彼はもっと巧妙」
有希、そんなとこだけ言わなくていい。
「とりあえずは食べましょう、腹が減ってはイクサー1と言いますし」
聞いたことないよ! どんな平野だよ!
「戦え! という点では共通です」
無理やりすぎるこじ付けで喜緑さんは話を流すと弁当箱の蓋を開ける。
可愛らしいサイズの箱の中身はぎっしりと詰まったおにぎりとおかずの数々だった。
いや、箸を入れる隙間さえ無さそうなんだけど。
「どんだけ食べるんですか、喜緑さん?」
それとも宇宙人のインターフェイスというのは燃費が悪いものなのだろうか? 今はいないクラス委員長ぐらいの体なら分からなくも無いが。
「また失礼な事を考えませんでしたか?」
すいません、今回は肩の上にいる有希にも耳を引っ張られました、はい。
「とは言え少々作りすぎた事は否めません。できれば手助けいただけるとありがたいのですけど」
はあ、とはいえ俺も自分の分があるのですけど。まあ中身は有希と分けるから量は少ないもんではある、実は俺としても渡りに船な提案であったりもするんだよな。
「……………」
どうした有希?
「何も」
そういう風に言われてもだな、ここで喜緑さんの提案を断ればまた何を言われるか分かりはしない。
何とかやり過ごさねばならないので、
「わかりました、では少し分けてもらえますか?」
とにかく逆らわないようにしよう、それはこの短い時間で俺にでも分かってきた。
しかしやはりこの人は俺の予想を遥かに超えたお方だったのだ。てっきり蓋にでも分けた分を乗せるのかと思いきや、
「ありがとうございます、それでは」
隙間など無かったような弁当箱に易々と箸を刺した喜緑さんは器用に卵焼きを摘み上げると、
「はい、どうぞ」
と、そのまま俺の目の前にって何してんですか?
「何って食べていただこうと」
それは分かりますがそれならですね、
「ああ、忘れていました。はい、あーん」
じゃないでしょ?! 何でごく当たり前のようにそんな事しなきゃならんのだ?
「まあまあ、ここは無礼講という事で」
どんなとこだよ! ちょっと待て、こんな人なのか喜緑さんって!
しかも本当に分かってないのか? 俺の右肩から溢れ出すこの黒いオーラに……………………………
喜緑江美里を敵性と判断………」
待て待て待て!! いきなり何を言い出すんだお前も! 
それにとてもじゃないが小さなお前が目の前で卵焼きを差し出している先輩に勝てる予感がしないんだよ、というかフルスペックのお前ですらまともに相手になるのか不安にすらなってくる。
これはまずい、どうまずいのか分からんのだが非常にまずいことだけは分かるんだ。
どうにかしてこの場を早く切り抜けるしかない、俺は思い切って喜緑さんの箸から卵焼きを食べた。
「!!!!!」
右肩の上だけが凍りつく。すまん、だが仕方ないんだ!
「どうですか、結構自信があるのですけれど」
味は確かに旨い、どこの料亭の卵焼きだと言いたくなりもする。
しかし脇から冷や汗が流れているのはどうしてなんだろうな? 理由は言わずもがなだが。
「旨いですね、喜緑さんが料理が得意だとは知りませんでしたよ」
ハハハ、と乾いた笑いを浮かべている俺。右肩からはどす黒いプレッシャー。
にも拘らず何事も無かったように微笑みを絶やさない無敵生徒会書記様は、
「そう言ってもらえると嬉しいですね。はい、どうぞ」
と言って今度はおにぎりを差し出した。本当に、本当に分かってないんだよな、この人?!
背中から滝のように流れる冷や汗をなんとか顔には出さないようにしながらおにぎりを食べる俺。
「どうですか、これもなかなか自信作なのですけれど」
次々と出されていくおかずを適当に相槌を打ちながら食べ続ける。
どれも旨かった、はずだ。まったくと言っていいほど味覚に神経は割けなかったが。
最早右肩どころか全身をこんなどす黒いオーラに包まれてまともに味なんて分かる訳ないじゃねえか!!
それなのに喜緑さんときたら、
「まあ料理が出来るというのは女性体として設定されたからには当然ですよね」
とか、
「食事量もある程度はコントロールできなくてはいけません、無駄に食べすぎないようにしなくては」
だの、
「そうですね、社交性がなければ生徒会など出来ませんから。これも処世術です」
ほかに、
「読書だけでは知識だけです、行動も伴ってこその経験であり知恵なのです」
などと思い切り特定の誰かに対しての愚痴のようなものをこぼしてくださるものだからだな?
「あはは、そうですね……………………勉強になります」
俺に何が言えたのだろうか? この迫りくる圧力に気絶しなかっただけでも俺の精神力は褒め称えられてもいいとすら思う。
だからお前も我慢してくれ、頼むから!!
おそらくこいつの人生で初めて涙目になっている有希に心の中で必死に呼びかけている俺がそこにいたのだった。何だこの地獄絵図は………………





「……………ごちそうに……………なりました…………………」
悪夢のような時間がようやく終わりを告げたのは、喜緑さんが持ってきた弁当箱が空になったときだった。
俺が予想したとおり喜緑さんの弁当箱の中は見た目とは大違いの大量だった訳で、それを一人で片付けたのだから満腹というよりも食い過ぎで胃もたれしそうだ。
何よりも味などまったく感じる余裕もないままにただ詰め込まれたような食事だったんだ、ほぼ拷問だったと言わざるを得んだろうよ。
それでも俺以上に苦しい時間を送っただろう有希は最早放心気味ですらある、無表情なだけに力の無い瞳が悲しい。
すまなかった、よく我慢してくれたな。せめてもの償いに有希を頬の方に抱き寄せた。
もしも喜緑さんが有希の事が見えてないのだとしたらかなりおかしなポーズなのだが、もうそんなこと知ったことか。
とにかく早く開放されたいんだ、俺たちは。ヘトヘトになった精神力に鞭打って俺は聞いてみる。
「ところで…………俺が全部食べたら喜緑さんはどうするんですか?」
実は途中から気付いていたのでいつ聞いてやろうかと思っていたのに喜緑さんに押し切られて現在に至ったのだ。
するとそれを予測していたかのごとく微笑みを絶やさない緑色の髪の悪魔は、
「ご心配なく。こういうこともあろうかと準備は万全です」
何事も無かったかのように、またもどこから取り出したのか分からないまま俺に見せたのは先ほど見たばかりの弁当箱だった。
「な………?!」
愕然とする俺に対し喜緑さんはただ一言、
「ああ、これは普通の量ですよ。あんなに食べられるのは殿方か私のお仲間くらいですから」
そう言ってにこやかに微笑んだ。
……………………ちょっと待て。ということは何か? 喜緑さんは分かって俺にあんなに食わせたってことか? どうしてこんな目に遭わされたんだよ!
「もちろんあなたのお弁当を食べさせない為です」
あっさりと言ってのける喜緑さんに俺と有希は呆然とする。何で俺の弁当を食わせないなんて馬鹿馬鹿しいことになったんだ?
「大体一人分を二人、それも一人前以上に食べる人がいるんですから少なすぎるじゃないですか。ですから私が用意したまでです」
今度こそ俺たちは揃って呆れるしかなかった。待てよ? つまりはこの人最初から、
「気付いているに決まってるじゃないですか。大体私がいなくて縮小化された長門さんのバックアップを誰がやるんですか?」
何を今更といった形の喜緑さんに開いた口がふさがらない。
「まあ元々長門さん用に作ったお弁当ですからあなたには多少量が多いかとも思いましたが瑣末なことです」
長門用って…………確かに想像以上の量だったが。それなら素直に有希に渡してくれれば、
「あら、せっかくですから長門さんには家庭の味、特にあなたの家の味というものを満喫していただこうと思ったのですが差し出がましかったでしょうか?」
なんという屁理屈をいけしゃあしゃあと述べる人なのだろう。そう言われてしまえば文句など言えばお袋の作った弁当が可哀想じゃねえか。
何も言い返せない俺の肩口の有希がようやく口を開く、流石に疲れた声に聞こえたのは気のせいではないだろう。
「……………何故?」
もう隠す必要も無くなった喜緑さんは有希の殺意さえ籠もりそうな視線すら平然と受け止めた。
「何故このような手段を取ってまでわたし達を欺いたのか、明確な説明を求める」
当たり前だろう、ここまでコケにされたら有希じゃなくても怒り狂ってもおかしくない。
だが殺気の視線の先にいたのはそんな視線を受け流す人だったのが不幸としか言いようが無い。
「だって………………」
そして俺は喜緑さんというものの本質を思い知らされたのだった。
あの人はあっさりとこういってのけたんだ。
「だってその方が面白いじゃないですか」
その時の喜緑さんの笑顔を俺は忘れない。背筋を走った恐怖と共に。
それはそれはとても良い笑顔だった、魂を奪う契約を果たした悪魔とはきっとこんな顔に間違いない。
さしもの有希すら硬直している中、弁当箱を持った喜緑さんは、
「では私は食事に参ります、あなた達もごゆっくり。あ、でも授業に遅刻してはいけませんからね」
言いたいことは言ったとばかりに部室を出て行ってしまったのだった。
残ったのは疲れ果てた二人だけ。
「…………………」
「…………………」
「……………なあ有希?」
「……………なに?」
「良かったな、俺のとこ来て」
「確信した?」
ああ、十二分なほどにな。俺は有希を右手で抱え込むように寄り添いさせると、昼休みの残り時間をただ呆然と座って過ごすしか出来なかったのだった…………………………………決して喜緑さんには逆らわない、いや関わらないようにしようと心に誓いながら。




結局まともに食事した気になれなかった俺と食べることの出来なかった有希は放課後もSOS団の活動には付き合わねばならず、最後は帰り道の公園で寂しく弁当をつつくしかなかった。
長時間まともな食事が出来なかった有希は今日一日で涙目という新たなスキルを身に付けさせられてしまった事だけは確かなのだったよ。
つくづく俺たちは二人で居ることを選択してよかったと思わされた一日であった。
まさかここまで読まれていたとは思えないし思いたくもない……………









そしてこれ以降俺と有希は何度か喜緑さんと関わらざるを得ない事態に否応無く巻き込まれ、そのたびに喜緑さんというものを思い知らされるのだがそれはもうまったく別の話だ。