『SS』にらめっこ:Dialogue

「はい古泉くん、お茶です。熱いから気をつけてね」
「どうもありがとうございます、朝比奈さん。しかし珍しい事もあるものですね、まさか長門さんがいらっしゃらないとは」
「ええ、あたしが来たときにも長門さんはいませんでしたし……………なにかあったんでしょうか?」
「さて、僕の方では何も情報は得られておりませんけれど? 涼宮さんと彼ならば遅れている理由は把握していますが」
「あ、どうしたんですか、涼宮さんたち?」
「掃除当番が涼宮さんなのですが今回は特別教室の掃除も命ぜられまして。そこで彼も…………」
「あ、キョンくんに…………ついて来てもらったんですね」
「そういう事です、ですから通常よりは少々時間がかかるかと」
「そうですかぁ…………」








「……………お茶、お替りいかがですか?」
「そうですね、頂きましょうか」
「遅いですね」
「ですね」
「……………………」
「……………………」








「……………………」
「……………………」
「……………くすっ」
「?」
「ふふふ…………」
「どうしたんですか、朝比奈さん?」
「いえ、古泉くんもあたしも何も話さないなって思って」
「それが何か?」
「何となくですけど、にらめっこみたいだなあって」
「にらめっこですか……………」
「ええ、何となくなんですけど」
「それならば僕に勝ち目はありませんね」
「え?」
「僕が朝比奈さんを見ていて微笑まない事などありえませんから」
「もう! 古泉くんはいつも笑ってるじゃないですか!」
「ははは、すいません………」
「でもあたしも同じですね、古泉くんを見ている時はいつも笑顔ですから」
「えっ?」
「あっ!」
「…………………」
「…………………」
















「おい、まだ入れないのかよ?」
「シーッ! 今いいとこなんだから!」
「………………………まさかここでオチを担当するとは……………………」